神奈川工科大学附属図書館
 
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 図書館Café Vol.8 No.2 発行日:2019年3月28日

 発行所:神奈川工科大学附属図書館
 図書館長:小川 喜道 編集委員長:高橋 宏
 編集委員:小澤 秀夫・水谷 郷美・山田 萌季・摺淵 亜希子

 
 

学生時代のこの一冊

本多勝一著『日本語の作文技術』他


 昔、朝日新聞に本多勝一というクセのある記者がいた。極限の地に暮らす民のルポで名を馳せ、ベトナム、アメリカ、中国を取材した著作以降、踏みつけられる側からの視点が作品を貫くものとなった。学生時代、彼の著作集『貧困なる精神』をきっかけに、彼の作品を読み漁った。弱者からの視線に徹した論考は鮮烈であった。彼がすべて正しいわけではないし、現代の若者にとってドン引きのサヨク的なものかもしれないが、神奈川工科大学の学生たちには「弱きを助け、強きをくじく」そんな大人になってほしい。彼の論考は好みが分かれるだろうが、わかりやすい日本語を書くために考え抜かれた『日本語の作文技術』は、誰でも参考になる実用的な本であり、本学図書館の蔵書である。

『日本語の作文技術』

本多勝一著 朝日新聞出版 2015
配置場所:1階文庫書架 請求記号:B816||H
所蔵詳細:
http://kw.kait.jp/opac/BB00164238

 



 本の魅力は いろんな世界の一人旅

教職教育センター 所長 / 基礎・教養教育センター 教授
三井 和博


 子供たちの本離れが叫ばれるようになって随分たちますが、出版界はいかに購読者数を増やすか頭を痛めているようです。そういう私も本学の前身である幾徳工業専門学校に入学するまでは、あまり本を読むことはなかったので、本を読まない人の気持ち、わからないでもないです。私の場合は、多少時間がかかりましたが、読むのに慣れてくると本の魅力に取りつかれましたね。今では、家族から活字中毒といわれています。
 私が本格的に読書をするようになったのは、寮で暇にしている時、友人に読書を勧められたことによります。最初に勧められたのは、ヘミングウェイの『老人と海』でした。初めは慣れないので、一か月ほどかかって読みましたが、老人の人生に考えさせられました。その次に勧められたのが、ヘルマン・ヘッセの『クヌルプ』で、吟遊詩人の生き方と死に方に魅せられ、それからは、ヘッセの本ばかり読んでいました。もう一つ、忘れられない本が、スタインベックの『怒りの葡萄』です。生への執念ともいえるような、厳しい環境でも生き抜こうとする姿に引き込まれ、途中で止めることができなくなり、寝ないで読み切るはめになりました。 
    どうやらこの辺から本嫌いが、本好きに変わったように思えます。その後はモーム、トーマス・マン、バルザックと読み進み、カント、アリストテレスなど、やや難解なものまで読むようになりました。現在では、ファンタジーやSFから歴史小説、伝記など興味を感じるものならば何でも読んでしまい、多読乱読気味です。でも読書は“一人生”では味わえない、いろいろな世界を疑似体験させてくれます。ちょっと静かで落ち着いた喫茶店に入ってコーヒー片手に本の世界に入るのもいいものですよ。

『老人と海』

ヘミングウェイ著  福田恆存訳  新潮文庫刊 2003
配置場所:1階文庫書架 請求記号:B933||H
所蔵詳細:
http://kw.kait.jp/opac/BB01054997


『クヌルプ』

ヘルマン・ヘッセ著 高橋健二訳 新潮文庫刊 2013

『怒りの葡萄』

ジョン・スタインベック著 伏見威蕃訳 新潮文庫刊 2015

 

海外旅行記

イタリア縦断の旅にでかけよう

電気電子情報工学科 教授
瑞慶覧 章朝


 

先生おすすめの一冊①

万城目学著『鴨川ホルモー』

応用バイオ科学科 助教
和田 理征


 鴨川ホルモーは、京都の4つの大学にあるサークルの話である。主人公は、軽い気持ちでサークルの新歓コンパに参加(一目惚れした人が目当て)し、ホルモーなるサークル活動を行うようになる。サークル活動といっても、何のために必要なのか分からない訓練や儀式を行うだけである。本を読んでいる私は、訓練や儀式がなぜ必要なのかなど気になる部分は多くあるが、淡々と話が進み、途中で何が面白いのかさっぱり分からなくなった。読むのをやめようかなと思いつつも、読み進んでいくと、やっとオニと呼ばれる妖精?式神?を操るための訓練や儀式であることが分かってくる。このころから、はじめ思っていた「??」の部分がすべて繋がり、様々な描写が画として見えてくるようになり、この時には、私はすっかり主人公気分で完全に本の中に入り込んでいた。読み進むにつれて「京都にはオニが存在するのではないか」と思ってしまうほどである。さらに、京都に行ったことのある人は、京都にいるような感覚も味わえる。鴨川ホルモーは、人の想像力を掻き立てる本である。
 読み始めは「何だ、この本は?」と思ったものが、「何だ、この本は!!」に変化していき、途中で止められなくなる本の一つである。兎に角面白い。
 研究や勉強に疲れた脳を一休みさせるには良い本であると思う。映画化もされたが、原作を一度読んでみてはいかがでしょうか。

『鴨川ホルモー』

万城目学著 産業編集センター 2006
配置場所:2階書架 請求記号:913.6||M
所蔵詳細:
http://kw.kait.jp/opac/BB00164059

 

先生おすすめの一冊②

新井紀子著

看護学科 教授
田中 千鶴子


 最近、AIの仕事ぶりを身近に知る機会が増えました。AIが囲碁のプロ棋士を破った、ですとか、美人のAIロボットが多言語で観光案内をする、ですとか。それどころか、シンギュラリティ(AIが人知を超える転換点)もそう遠くないと言う人さえいます。そもそも人の製作物でありながら、人の仕事を奪い、人類を脅かすことにもなりかねないAIって何?
 この本は、そんな疑問に分かりやすく応えてくれます。普段、「科学技術の時代に看護の真髄を守り続ける」※などと科学に抵抗している私でさえ、引き込まれました。AIは何が出来て何が出来ないのか、多くの仕事がAIに代替される時代に人にしか出来ない仕事は何か。AIは統計と確率は得意とするが、物事に意味付けが出来るようにならない限りシンギュラリティは来ない。さらに「物事に意味付けする」根幹となる能力は、読解力である、とも。数学者がAIを研究して出した結論が、国語力(読解力)が人類対抗の要であるというから驚きです。一方で中高生の読解力における驚愕の実態を示し、プログラミングやディープラーニング(機械学習技術)以前に、重要なのは国語力(読解力)であると。これにも衝撃を受けました。人間の意図を読み取る能力や柔軟な判断力をどう育むか。教育する者として深く考えさせられました。

※ヴァージニア・ヘンダーソン(看護理論家)

『AI vs.教科書が読めない子どもたち』

新井紀子著 東洋経済新報社 2018
配置場所:3階共通 請求記号:007.13||A
所蔵詳細:
http://kw.kait.jp/opac/BB01265103

 

留学体験記①

一生に一度の体験




 私がシアトルの半年留学に興味を持ったのは、この大学に入学して少し経ってからでした。高校生の頃から英語に興味があり、この留学を見つけたときはすぐに行くことを目標に頑張ってきました。
 留学した当初は英語が全然話せず、初めてホストファミリーと出会ったときは緊張と不安で、毎日すぐ寝てしまう生活が続いていました。しかし、学校が始まり耳も慣れてきて少しずつ何を言っているかわかるようになってきてからは、積極的にホストやクラスメイトと話すようになり、友達もできるようになりました。その後は様々な国の友達ができ、ホストファミリーとも普通の家族のように接することができるようになりました。英語はいま世界で一番使われている言葉なので、もっと英語を話すことができたらよりたくさんの人との交流や友達ができるので、とても素敵なことだと思います。
 最近では、アメリカで仲良くなった日本人やほかの国の人とスキーに行ったり旅行に行ったりして、英語の勉強をしながら毎日楽しんでいます。なかでもニューヨーク旅行はとても良い経験ができました。ニューヨークのタイムズスクエアはとても“クレイジー”でした。シアトルと3時間も時差があることにも驚きました。
 今回の留学で様々な人と友達になることができました。英語が話せるとやりたいことがたくさん可能になってきて、自分の人生の選択肢が広がります。今回アメリカに留学したことで多くを学び、たくさんの出会いがあり、毎日が充実しています。
 

留学体験記②

人生の中の大きな価値




 私は、9月からシアトルに半年間留学しています。私がホームステイしているホストはフィリピン人で、キリスト教徒です。そのため毎週日曜日には教会に一緒に礼拝に行きます。礼拝と聞いて想像していたのは、とても静かなものでした。しかし、実際はこのイメージとは全く異なり、ギターやドラムなどの楽器を使った音楽に合わせて歌ったり、牧師さんもとてもユーモアのある話し方で話していました。また、大学の授業で読んでいる本はキリスト教に関する物語です。これまで宗教に触れたことがなかったので、今しかできないとても貴重な体験だなと感じています。 ホームステイ中に初めて体験したアメリカの伝統行事はThanksgivingです。11月24日に行われ、私のホストの家では、ホームパーティーが開かれました。親戚の方が集まり、とても賑やかでした。ターキーやパンプキンパイなどアメリカを感じる料理や、持ち寄ってくれた料理を食べたり、ゲームをしたりして楽しく過ごしました。この日の本来の意味は、夏の収穫に対する農家の人へ感謝する日ですが、現在は家族、恋人や友人など、身近な人に感謝する日となっています。ホストたちもお互いに感謝を伝えている様子が見られました。初めてThanksgivingを体験し、ホストの親戚にも会うことができ、充実した日でした。そのほかにもクリスマスやハロウィーンなど様々なイベントを体験できました。
  留学を通して、日本とは違った習慣や文化にふれ、視野を広げて物事を考えることができるようになりました。この留学は、これまでの人生と、これからの人生において、私にとってとても大きな価値があると思います。


 

留学体験記③

シアトル半年留学を経て




 私がアメリカに来て大きく感じた日本との違いが、三つありました。
 一つ目は授業の進め方です。まず大きく異なったのは、生徒が授業に対し能動的に取り込むという点です。日本の授業は先生がレジュメを用意し、授業時間を使ってそのレジュメを説明していくのが一般的だと思います。しかし、アメリカでは、事前にレジュメや問題が用意されており、生徒が予習してから授業に臨みます。そして、授業は生徒の持つ質問を明らかにした上で、それらについて深めていくというようなスタイルです。ここで、私たち日本人は質問することへの戸惑いを感じると思います。しかし、ここでも日本とアメリカの違いが大きく感じられました。アメリカではどんな意見でも質問でも一度受け止め、意見を発したことをとても尊重する文化があるようです。例え間違った回答でも、答えた姿勢を一度尊重し、そのうえで訂正するスタイルをとる先生が多く、皆どんな質問も恐れずに投げかけていきます。
 二つ目は、ホストファミリーやアメリカの方に人に関わる出来事を話すと、その人の生まれた国について聞かれることが度々あります。これは、様々な国の人が一緒に生きているアメリカならではだと感じました。
 三つ目に、家族に対する考え方も大きく異なりました。アメリカでは親子が独立していて、両親のことを名前で呼びます。以前、ホストのお父さんのことを聞いているときに、「お父さん」と表現せず、「Lori(お母さんの名前)の旦那さん」と表現していたことに、日本との大きな差を感じました。
 

学生のおすすめ本

池井戸潤著『空飛ぶタイヤ』




 パッとこの本を見ただけでは、謎めいたタイトルからは、話の内容が全く想像できないと思います。この作品は、自社のプライドや従業員を守るために、小さな会社の社長が巨大企業を相手に戦う物語です。主人公は、揺るぎない真っ直ぐな信念を持ち、正義感に溢れる人です。しかし完璧ではなく、多くの人が持っているコンプレックスを抱いている点に親近感を感じるため、作品中で戦っている姿をみると、ついつい応援したくなります。そんな彼の周りには敵が多いのですが、だからこそ思いもよらない人と出会い、ラッキーな出来事が訪れるのだと思います。この作品から、社会に出て荒波に揉まれたとしても、何事にも誠実に挑む姿勢を教えられます。就活を控えている方に読んで頂くと、自分が大切にしている価値観を再発見できるかもしれません。

『空飛ぶタイヤ』

池井戸潤著 実業之日本社 2008
配置場所:2階書架 請求記号:913.6||I
所蔵詳細:
http://kw.kait.jp/opac/BB01088355